「ゲームマーケット大賞2016」一次審査「ウクレレ」落選についての考察

渾身の力をもって世に送り出したボードゲーム「ウクレレ」ですが、「ゲームマーケット大賞2016」一次審査に落選してしまいました。

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さて、ここで落ち込んではいられません。まだまだこれからも創作ゲームを発表していくつもりなのですから。

というわけで、今後の対策のためにも「ウクレレ」がなぜ一次審査すら通過することができなかったのかを客観的に考察しておきたいと思います。

この考察では「ゲームが面白いかどうか」については触れないことにしようと思います。一次審査を通過したゲームは当然面白いから選ばれたのでしょうし、「ウクレレ」を面白いと声高に言ったところでそれは主観でしかないからです。

一次審査通過作品と「ウクレレ」を見比べてその違いを知ることによって「ゲームマーケット大賞」が求めている理想のゲーム像を探り、「ウクレレ」足りなかった部分を知ろうというのが、この考察の目的です。



↓ 考察はこちらから
・「ウクレレ」に足りなかったもの その1
  「知名度」


「ゲームマーケット大賞」の一次審査通過作品は、半分以上が一般のアンケートで決められます。ゲームマーケットイベント後に「新作評価アンケート」というのが行われ、それが「ゲームマーケット大賞」の一次審査を兼ねています。

私が「ウクレレ」を新作として発表した「ゲームマーケット2016神戸」ではアンケートの「得票数 上位3つ」と「平均評価 上位3つ(但し規定以上の票数を獲得したゲームに限る)」が選ばれるのですが、「ウクレレ」はどちらにも該当しませんでした。

サークル「LogicalPower」は今回が初出展だったのもあり、「ウクレレ」は注目されていなかったのでしょう。また事前の宣伝も、イベントの準備に手いっぱいで十分にできていたとは言えないと思います。



・「ウクレレ」に足りなかったもの その2
  「パッと見で興味をもってもらえること」


「ゲームマーケット大賞」の一次審査を通過方法のもう一つに「審査員推薦」があります。
「ウクレレ」はこちらからも漏れてしまいました。

審査員の方々はゲームにお詳しい人ばかりです。しかし、ゲームマーケットで発表された新作ゲームを一つ一つ時間をかけて自分で遊び、審査をするのは無理でしょう。審査員の方に「面白いかも」と思って手に取ってもらうには、やはり何かパッと見た目の魅力が必要になります。

これは審査員の方に限らずゲームで遊ぶ方すべてにも言えると思います。まず興味をもってもらえないと「やってみよう」まではなかなかたどり着かないのです。「ウクレレ」の見た目は余りにも地味だったと言わざるをえません。

特にネットで情報を流す場合は画像が興味をもつかどうかの大きな要因となるでしょう。そういう意味でも「ウクレレ」は興味を持ってもらいにくかったと思います。



・「ウクレレ」に足りなかったもの その3
  「商品としての魅力」


一次審査通過作品をいろいろと見てみました。どれもきれいなグラフィックのパッケージです、ゲーム自体のコンポーネント(盤や駒)も雰囲気があります。市販のゲームかと見間違うものばかりです。

いや、実際そのレベルなのでしょう。ゲームを商品として見た場合、パッケージやコンポーネントの質は重要です。しっかりとしたグラフィックを準備し印刷屋さんに発注して作製されているんだと思います。

「ウクレレ」は初めてのゲーム作製ということもあり、外部発注というところまでは踏み込めませんでした。コンポーネントは市販されているゲームから流用したり、ゲーム用汎用部品として売られているものを使いました。パッケージは……ありませんでしたね。

商品とする限りの最低ラインはがんばったつもりですが、手作り感満載で見劣りしたことは否めません。


・「ウクレレ」に足りなかったもの その4
  「広くみんなに遊んでもらえるゲーム性・分かりやすさ」


一次審査通過作品を見てもう一つ気付いたのは、プレイ人数です。3人以上で遊べるゲームが多かったことです。

ゲーム自体の重さ(シンプルかゲームに関わる要素が多いか)はいろいろだと思いますが、たくさんの人数で遊べてコミュニケーションが楽しい「パーティー系」のゲームが一次審査通過作品には多かったようです。

一次審査を通過したゲームの中に「2人専用」のゲームもいくつかありましたが、その割合は少なかったです。

またどのゲームもいろんなシチュエーションを用い、ゲームとして何をするかのイメージを分かりやすくしたものが多かったです。

「ウクレレ」は1対1で真剣勝負を行う「競技系」のゲームです。しかも全く運の要素がなく、情報もすべてオープンで技量がすべてのゲームです。加えて、「ウクレレ」はその中でも「アブストラクト(特定のモチーフを持たない)」ゲームであったので、特に取っつきにくかったのだと思います。カテゴリ的には「将棋」「囲碁」「チェス」「オセロ」等と同じになります。

こう考えると「ウクレレ」は、誰もが気軽に楽しむことができるかという面からみると「ゲーム性や内容が鋭すぎる」のです。これは、楽しめる人をかなり選ぶゲームと言っていいでしょう。

私はパズル作家出身なこともあり、「将棋」「囲碁」「チェス」「オセロ」などのゲームを何の違和感もなくプレイします。でも一般のモチーフのある「ボードゲーム」から入った人は、このような抽象的で記号的なもので遊ぶゲームというのは異端なのかもしれません。

このカテゴリのゲームに全く需要がないかというとそうではないと思いますが、「ウクレレ」は「ゲームマーケット大賞2016」一次審査の壁を突き破るには力不足だったということでしょう。



総括

こうして見てみると、「その4」以外はゲームの本質的な部分以外の問題ですね。私にはそのあたりの感性が欠けているのかもしれません。

来年の3月に行われる神戸のゲームマーケットには、デザインやパッケージをリニューアルした「ウクレレ」を出すつもりです。少しでも多くの人に「ウクレレ」を遊んでもらいたいです。

もちろん新作の準備もあります。いろいろとアイデアはありますが、今度のゲームはもう少し気軽に遊べるものを目指そうと思います。

アイデアを出るに任せると、どうしても「自分が楽しいもの」を発想してしまいます。私の場合はパズル的で真剣に勝ち負けを争うような鋭いゲームになりがちです。まずは「多くの人が楽しいと思うのはどんなことか」というところから考えて、新しいゲームを作っていきたいと思います。

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